セッターを始めた人が最初にぶつかる壁——それが「パスとトスの違い」です。手だけで横にボールを運ぶのと、ちゃんとしたトスの違いは何か。その答えが『軸』なんです。上手いセッターが必ずやっている「レフト軸」のトスについて、基礎から詳しく解説します。
この動画のポイント
- レフト軸とは、トスをセットした瞬間に体の正面をレフトの進行方向へまっすぐ向けること
- 軸がないと、アタッカーはどこにトスが来るか読めず、トスも割れやすくなる
- 全アタッカーが合わせやすくなり、セッター自身も上げやすくなる
- 同じ軸からレフト・ライト・バックに散らせるので、相手を迷わせられる
レフト軸とは何か
レフト軸とは、トスをセットしたときに体の正面が、ボールを飛ばすレフトの進行方向にまっすぐ向いていること。初心者によくあるのが、ボールが来た方向に体を向けて、手だけで横にトスを持っていこうとすること。これは軸がないトスで、僕はトスとは言えないと思っています。
どんな方向からボールが返ってきても、必ず早くボールの下に潜り込んで、レフトの進行方向にまっすぐ体を向けて、その方向へまっすぐ持っていく。これができると、トスの精度とコントロールが一気に上がって、再現性が高くなります。
ボールをどこに持っていくかじゃなく、どのように持っていくか。それがアタッカーの決定率を大きく左右します。
軸がないと何が起こるか
1つ目の問題は、アタッカーがどの方向にトスが来るか読めないこと。横向きで手だけでコントロールしようとすると毎回ブレブレで、レフトの立場からすると合わせるのがとても難しい。
2つ目は、トスが割れやすくなること。ネットから離れたトスになると、アタッカーはボールに被って助走距離が取れず、体重の乗らないスパイクになる。さらにボールを見上げる形になってブロックやレシーブが見えず、決定率がガタッと落ちてしまいます。
レフト軸の3つのメリット
1つ目は、全アタッカーが合わせやすくなること。「この軸ならこう上がってくる」と予測できるから、思いっきり助走に入れる。レフトはまっすぐ、ライトはネット方向に少し回りながら、クイックもバックアタックも同じ軸から読める。
2つ目は、セッター自身も上げやすくなること。レフトという1つの軸を持っていれば、サーブカットが少し乱れても、その角度から微調整するだけで他のトスもうまく運べます。
3つ目は、相手の読みを外せること。同じ軸からレフト・ライト・バックに散らせると、相手ブロッカーはボールが手から離れるまで迷う。最近のトレンドは、一度ボールを手に入れてからライトに振る技。相手が一歩動いた後に運ぶので、すごく有効です。
アタッカーの決定率は、個人の技術以上に、セッターの持っていき方で相手を迷わせられるかで決まると僕は思います。


